Velvet Roseとシンデレラガールズに打ち込まれた新たな『呪い』の話(2019/02/28)
※本記事はデレステ新イベント「Fascinate」コミュの内容を多分に含みます
デレステ新イベントにて、新アイドル黒埼ちとせと白雪千夜、二人のユニットVelvet Roseが実装されましたね。
僕は基本DD姿勢なので、ご多分に漏れず予告が出た瞬間から大層盛り上がっておりました。まさかこんなことになるなんて。
結論から言います。
非常に優秀なシナリオでした。
白雪千夜に完全にやられました。
合う合わないは別れるとして、間違いなくシンデレラガールズの”次の一手”です。
言うまでもなく、僕は肯定派です。
Cuアイドル、白雪千夜ちゃん。
以下、イベントコミュ内で語られる2人のこと。
■黒埼ちとせ
・人を魅了するカリスマ性がある
・千夜は笑顔が世界一可愛い自慢の「僕(しもべ)ちゃん」
・プロデューサーの仕事に同行してサポートできるだけの器量がある
・何者にでもなれると思って"いた”
・一人では幸せにならない
・身体が弱い
・自分がおそらく"長くない"ことを知っている
・夜の散歩が好き
・千夜を「私の僕ちゃん」じゃなくしてほしい
□白雪千夜
・悪態やばい
・ちとせは世界一美しいと思っている
・悪夢をたまに見る
・自分は何にも期待しないから、華やかな人生を送る人の手伝いがしたい
・自分の人生の主役であるちとせ以外に興味がない
・12歳で天涯孤独の身となり、親戚である黒埼家の主人に引き取られる
・学友やほかのアイドルへの対応は比較的穏やか
・アイドルをやらされているのはちとせの"戯れ"だと思っており、いつやめることになるか気にしている
・ちとせが”長くない”ことを知っているかは不明(個人的には知っていると思う)
ラノベか。
明らかに今までのシンデレラガールズのキャラクターの枠を超えた、しかし「じゃあこの子たちはシンデレラガールズじゃないの?」と聞かれたら絶対に「そう」とは言えないこのキャラクター造詣。
シンデレラガールズってなんだ。定義は?ない。アイドル。女性。それだけじゃん。いくらでも盛れんじゃん、いや盛り過ぎ……いやでもこれは……好き……!!
マジですごいと思ったのはこの"長くない"という設定で、これ、メタ的に考えると永遠に"その時"は訪れないんですよ。だから『絶対に死なない』という安心の中で、『もうすぐ死ぬ』という設定を受け止められる。これは好き嫌い別れるというか、もはや禁じ手じゃないかと思ったりもするんですけど、多分実際の死ぬ死なないは重要じゃなくて、そこから創れるドラマをどうアイドルに落とし込んでいくかなんですよね。つい数カ月前に似たような話してたな…
コミュの中では二人の関係性が語られたあと、二人がどういうユニットにしていくかを考える流れと、それを見守る周囲の人々が描かれます。描かれるのですが。
本質的には『この二人が、何故アイドルになるのか』が本イベントのメインテーマだと思っています。逆に言えば、この『何故アイドルになるのか』の説明のために、どうしても二人一緒のユニットという形式で送り出す必要があったのだと思います。
先の長くないちとせの夢は、「残りの人生を楽しく過ごすこと」と、「笑顔が可愛い千夜に千夜らしく生きてもらうこと」。そしてこれを魔法使い(プロデューサー)に"約束"という形で託してくるんです。
ね、『呪い』でしょ?
文字通り、命がけの約束なんです。この約束が刺さる人間にとっては、白雪千夜を笑顔が可愛い、自分らしく輝くアイドルにすることが"使命"になってしまう。
自分のすべてを懸けてアイドルに挑む子は今までもいました。でも自分の残りの人生を売って、あの子を最高のアイドルにしてくれ、と言ってくるアイドルは、記憶している限り、初めてです。
Pチャンの回答。頼もしい。
対して千夜の夢は、「お嬢様を世界一のアイドルにすること」それひとつ。
これら提示された"契約条件"をクリアするために、プロデューサーは二人をユニットという形で送り出していることがわかります。そして千夜の中に芽生えた感情から、これからの『アイドルとしての物語』に必要なものが更新されていきます。
そして最後のコミュでハッキリと語られる、千夜に芽生えた何かと、
お互いの夢を叶えるためにお互いを必要とした二人は、これからはアイドルとして、ファンの為に歌い、踊ることと、
これから二人がどうなるかを我々に託したところ。
新アイドルをこう作ったのなら、この上ない送り出し方だったと思います。
総括として、すでに"物語"が出来上がっている180人弱のアイドルたちに対して、"物語"を引っ提げて、アイドルとしての『スタートラインに立たせる』ためのイベントでした。構成も良かった。
杏の台詞が運営からのメッセージなのは間違いないと思います。でもそのメッセージは、ちひろさん、トレーナーのセリフと併せて受け取って欲しい。それでも許せないなら、まぁしょうがないかなと思うようなものでした。個人的にはプラスに受け取れました。
何よりも、シンデレラガールズの新しい方針として、こうして深いバックボーンを持ったキャラクターが出てきたことが、またひとつ次に進むための新しい試みとして評価されるといいなぁと思っています。
今までと同じように、その評価が、今たくさんいるアイドルたちの新しい出番に繋がっていくことも。
シンデレラガールズ、まだまだ頑張ってくれ。応援してます。
「笑顔は世界一可愛いんだから」
Cuアイドル、白雪千夜をよろしくお願いします